ホンダ Dio(AF62)レビュー

2017年3月21日火曜日

Dio(AF62)

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先日購入した2005年製Dio(AF62)のレビューです。
駆動系を色々触った結果わかった、走行性能に関することを書いていきます。尚、トゥデイ(AF61)も、似たようなものだと思います。駆動系の仕組みについては、別ページにて紹介しております。


※うちのDioが、機械部分に特に問題が無く、平均的な個体であるという前提で書きます。また、あくまでも、個人的見解で有り、全ての個体に当てはまるものでは無い事を、ご承知ください。

純正での走行性能

加速は、鈍いです。燃費性能を上げるために、結構加速を制限してあります。
純正では、ウエイトローラーの重量は、6.5g×6=39gとなっています。この重量は、加速中のエンジン回転数が抑えられ、燃費に有利且つ、音も静かですが、加速は遅くなります。私は、5.5g×6=33gまでしか試していませんが、この重量まで軽くする事によって、最高速度を損なわずに、加速性能があがりました。当然、より高回転でエンジンを使用する事になるので、音は若干大きくなりました。燃費については、計測していませんが、悪くなると思われます。音が大きくなると言っても、2ストバイクに比べれば、全然静かです。とりあえず、加速だけ何とかしたいのならば、ウエイトローラーを軽くすれば、改善すると思います。ただし、軽すぎると却って悪影響が出ますので、程々に。


続いて、速度についてですが、プーリーのウエイトローラー可動範囲で制限されています。ウエイトローラーが、プーリーの最も外側に移動したとき、つまり、変速が終了する時点で約55km/hになると思われます。もちろん、ウエイトローラーが最も外側に来た後でも、エンジン回転が上昇できれば、さらにスピードは増しますが、エンジン出力の小さなDioでは、あまり多くは期待できません。下図の通り、ウエイトローラーが、これ以上移動できないので、ベルトも移動できなくなり、結果として55km/hくらいでリミッターがかかったようになります。
純正プーリ

改造に関しては、あくまでも、走行に余力を持たせるためのものであり、交通違反を助長するものではありません。また、このページを参考に改造する場合は、自己責任です。何か問題が発生しても、当方では一切責任は負いません。

ハイスピードプーリーでの走行性能
駆動系で最高速度を上げるには、プーリーの加工かハイスピードプーリーの取付の二択になると思います。大部分のハイスピードプーリーの場合、ギア比を純正よりもワイド化する事により、出だしの改善と、最高速度が上昇するような形状になっています。具体的には、外形を大きくして、ウエイトローラーの可動範囲を広げてあります。通常、純正プーリーと交換するだけで、若干、出だしが良くなり、最高速度が上がるはずです。加速については、純正と同様に、ウエイトローラーを少しずつ軽くしていき、最高速度が落ちないところにセッティングします。燃費を犠牲にしたくない方は、純正のままで良いかと思います。
余談ですが、私の場合は、当初、効果が全くありませんでした。調べた結果、原因はトルクカムの偏摩耗にありました。他にも、ベルトが摩耗して、幅が細くなっていたり、ウエイトローラーが摩耗して変形していたりすると、効果が出ない場合があります。ハイスピードプーリーを取り付ける際には、まず、純正状態で問題が無いように整備してからやらないと、効果が無い場合に、問題の切り分けが難しくなります。
トルクカムの偏摩耗の影響で、ハイスピードプーリーの効果が発揮されず、効果を確認できないままプーリーを加工してしまったので、ぽん付けでどの程度の速度が出るのかは、解りません。

キタコ、ハイスピードプーリー





ハイスピードプーリーの取付で満足できない場合
もっと余力がほしいと言う人(私みたいに)は、ハイスピードプーリーの加工となります。ただし、加工しても加速については、ほとんど効果はありません。以下、図で説明します。ライブディオの時に作成した図ですが、Dioでも似たようなものです。


純正プーリーの場合は、図2のような状態です。プーリー(青)とドライブフェイス(黄)の間に、隙間が有り、ベルトは、外周一杯までかなり余裕がある。次に、ハイスピードプーリーを取り付けると、図3のような状態で、プーリーとドライブフェイスの隙間は無くなると思います。
ここから、図4の状態になるまでプーリーを加工するわけですが、プーリーの加工をする前に、やっておく事があります。プーリーと、ドライブフェイスを本体から取り外して重ねて、一番広い部分で、どれだけの隙間があるか計測します。計測したら、この隙間が、ベルト幅と同じになるように、プーリー表面を削ります。加工したら、プーリーの表面にマジックで線を引いておき、本体に取り付けて走行します。マジックの線が全部消えれば、加工終了です。もし残っていたら、裏面の加工となります。やり過ぎると、故障する事もあるので、加工は程々に。ウエイトリーラーの重量や、パワー不足で図4の状態にならない事も考えられるので、その時は、あきらめるしかありません。
私の場合は、現在、調整途中で、表面加工の段階です。まだ、確認はしていませんが、裏面の加工はたぶん必要ないであろうと思っています。


トルクカムの偏摩耗の影響で、変速ができずに、マジックの線がたっぷり残っています。堅いので、ほとんど削れていませんが、本来必要の無かった、ドライブフェイスの加工までやってしまいました。


動画紹介中→鬼太郎チャンネル

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