ホンダ ライブディオ(AF35)Vベルト位置の考察

2016年12月26日月曜日

ライブディオ(AF35)

t f B! P L

今まで、色々パーツの寸法を計測してきたのですが、その数字を元にVベルトの位置を考察してみました。


整合性がなかなかとれなくて、何度も駆動系を開けたり閉めたりしながら、随時確認してきました。記事を書いている途中で間違いに気づき、また駆動系を開けて寸法を取り直しました。

今回はクラッチもばらしたかったのですが、堅くて開けられませんでした。。。


すごく堅いことと、この堅さだと、うまくばらせたとしても、再度組み立てする自信が無かったので、早々にあきらめました。

それでは、本題に入ります。

初めに

色々計った結果とライブディオの諸元から、整合性がとれるように試行錯誤を繰り返して、下記画像のようになっていると、自分なりに結論を出しました。当初勘違いしたのは、プーリーがボスの上をスライドするわけですが、移動しきったところが変速の終了ポイントだと思っていました。しかし、よく考えてみると、移動しきっていたら、ウエイトローラーの移動できる範囲を増やしても、ドライブフェイスに当たってるのだから変速できないことになってしまいます。と言うことで、ウエイトローラの移動限界点でのプーリーの位置が、変速終了のポイントであるという想定で計算し直しました。

パーツリストでもあれば簡単にできたのかもしれないんですが、こうやって試行錯誤するのが好きなので、頑張ってみました。間違いに気がついたときはちょっとへこみました。。。

計算方法について

計算をしていて一番困ったのは、プーリー面の角度です。当初、駆動側、クラッチ側とも15°で計算していたのですが、うまくいきませんでした。ドライブフェイス側の角度も関係するので、それについても同じ角度で計算していました。

しかし、全て15°では、どうしても整合性がとれないので、再びパーツを計り直しました。しかし、サイズがサイズだけに、おおざっぱな答えしかだません。とりあえず、プーリーについては、何度か計測してみたところ、概ね15°に近い数字だったので、プーリーとドライブフェイスは15°で計算することにしました。ここからは複雑な計算と作業なで省きますが、エクセルで式を組み色んなパターンを計算して整合性のとれる数字を探しました。

ベルトの外周は650mmですが、ベルトとプーリーがかむ部分での外周は若干短くなるであろうので、若干短くして計算しています。

とにかく、面倒臭い試行錯誤を繰り返しました。

エクセルで表を作って置いたので、実走行で変速が終わるタイミングがわかれば、加速中のエンジン回転数や速度を逆算するなんて事もできます。表については人それぞれでしょうから、ここにはアップしません。ちなみに、50km/hくらいで変速が終わっていれば、加速中のエンジン回転数は大体6000回転と言うことになります。そこからエンジン回転数が上昇していき、限界に達した時が最高速度ということになります。変速終了のタイミングはウエイトローラーの重さで調整することになると思いますが、どの回転数で加速していくのが理想的なのかは、利用の仕方で変わると思います。一般的に変速終了のタイミングを早くすれば最高速度はあがり、加速は落ちます。逆に遅くすれば加速は上がりますが、最高速度は落ちる事になります。

どんどんウエイトローラーを重くすればどこまでも速度が上がるわけではありません。個体ごとの状態やエンジン出力とのバランスも必要ですので、ウエイトローラーの調整は、結局、いろいろなパターンを試すしかないということになります。

ちなみに私は、とりあえず、KN企画のハイスピードプーリーに純正の重さの8.5g×6=51gにしていましたが、8.5g×3+8.0g×3=49.5gに変更しました。51gより加速はなめらかに感じますが、誤差の範囲程度ですが、ほんの少し最高速度は落ちた感じです。

では本題です。

Ⅴベルト位置の考察

ベルト外周について
外周は650mm、幅15.5mmを基準に、幅15mmになるであろう位置の長さを644.1mmと想定し計算。
以下、駆動側ベルト位置をA、クラッチ側ベルト位置をBと表記

1.外周から変速比が2.450になるベルト位置の組み合わせを逆算
A直径≒40.6mm B直径≒99.5mm

2.同様に外周から変速比が0.850になるベルト位置の組み合わせを逆算
A直径≒77.2mm B直径≒65.6mm

3.プーリー及びドライブフェイスの面角度を15度とすると、プーリースライド量1mmあたりのベルト移動量は3.732mmです。Aが77.2mmの時のプーリースライド量を逆算
{77.2-40.6}÷3.732≒9.8mm

4.変速比2.450の時に最もプーリーとドライブフェイスの間隔が広いことから。最大の間隔を逆算
9.8mmで計算すると15.0-{(40.6-26.0)÷3.732}≒11mm

5.プーリーとドライブフェイスがくっついた状態でのAの値
A≒81.6mm

6.プーリー表面を1mm削ってプーリースライド量を1mm増やし12mmとした状態でのAの値
A≒85.4
この数字に1.9mmプラスすると、650mmのベルト外周位置となりますので、87.3mmとなり、プーリーの直径が87.5mm位なので、ベルトがほぼプーリーいっぱいのところに来ることになります。





スタート時(青線)

スタート時は青線で示してありますが、ベルト位置とプーリーボスとの間は10mmです。ベルト下部分が約7mmあるので、2mm弱しか隙間はありません。クラッチ側の見た目はほぼいっぱいです。
現在はKN企画のハイスピードプーリーをつけているのですが、このプーリーはその形状から、純正よりも2mmほど奥に行きます。結果として、プーリーの水平スライド量が長くなるのですが、これがいけません。2mm入り込むことによって、クラッチ側が、めいっぱい閉じてもプーリー側が追いつかず、ベルトが緩んだ状態になります。計算結果でも実際の状況でもクラッチの限界を超えています。解決策は、少し短めのプーリーボスにすることですが、ちょっと気分が悪いです。


純正プーリーの変速限界点(緑線)

ウエイトローラーがこれ以上移動できなくなったときのベルト位置です。
この位置で、レブリミットの8000回転まで回れば、67km/hくらいでる計算になります。

KN企画ハイスピードプーリー使用時の変速限界点(赤線)

ウエイトローラーはまだ移動可能ですが、プーリーとドライブフェイルがくっつくので、ここが変速の限界点となります。ウエイトローラーを限界まで移動させるには、プーリー面の加工が必要です。この位置までベルトが移動して、更にレブリミットまで回れば計算上73km/hまで出ることにまります。
うちのライブディオについては、プーリーに引いたマジックの線から、このポイントまでは変速していると思います。その時の速度から逆算すると、エンジンの回転数は7000回転くらいになります。

最後に

ノーマルのプーリーは、なんちゃってハイプリに加工してしまっており、すり減ったVベルト交換とハイスピードプーリー取付を同時したので、ノーマルでどれくらいの速度が出るのか、確認はできませんが、思うに、ノーマルでも最高速度の理論値(67km/h)に近い速度は出ると思います。そうは思いたくありませんが、Vベルトの交換だけで、今の速度は達成できたと言うことになります。

まぁ、しかし自虐的な意味でメリットもあるかもしれません。同じ速度の場合、ハイスピードプーリーの方が回転数が低くなるので、燃費が多少は良くなるかもしれないことです。その反面、加速は鈍ることになりそうですが。まぁ、この辺はウエイトローラーの調整で変わってくるとおもいます。

ちなみに、今のベルト位置でレブリミットの8000回転まで回れば理論上の最高速度は75km/hオーバーになります。

どこまでスピードが出るのかという好奇心だけで、ここまでやってきましたが、この先を求めるなら、チャンバー交換、CDI取付、メインジェットやウエイトローラーのセッティング、足回りの強化・・・・・とキリが無いですね。まぁ、ZXでもないし、ここからはお金がかかりすぎそうですし、セッティングを煮詰めるのも大変そうなので、お金をかけずにエンジンがもう少し回る方策が無いか考えてみます。

もう一つ、バイクの改造パーツって、対応機種と、最高速度アップとか、加速アップとかかいてありますが、具体的に何がどうなって、どうなるのかの説明がほとんど無いですね。
今回購入したKN企画の「ライトチューニングキット初心者編」(AF-SET)は、プーリー・ウエイトローラー・ベルトがセットで、初心者には非常に心強いと思い購入したのですが、2mmも本体側に落とし込む(というか、純正がそもそも2mm突き出ていると言った方が良いかも)ものだとわかっていれば、別のものを購入したかもしれません。ZX向けに開発したものをノーマルでも対応として発売したのでしょうが、たぶん未検証で売り出しているんでしょうね。
ZXとノーマルの両方対応をうたっているハイスピードプーリーは要注意かもしれません。
サイズや形状、寸法などは、ほとんど情報が無いので、まぁ結局買っていたとは思いますが、今更ながら、一つずつ順番にやっていけば良かったと思いました。

とりあえず、なんちゃってハイプリをもう少し改造してみたいと思います。

参考に、変速終了時の速度から計算したエンジン回転数です。
私の計算が正しければ以下の通りです。

ノーマルプーリーKN企画ハイプリ
変速終了時の速度エンジン回転数エンジン回転数
5059505200
5565405730
6071306250
6577306770
70-7290

※あくまでも計算上の数字なので、実際とは異なるかもしれません。また、計算間違いがあるかもしれませんので、参考程度にみてください。
動画紹介中→鬼太郎チャンネル






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